疲れているのに休めないあなたへ。ということで、前回の『体とエネルギーの状態から自分をみてみる。』Click Hereに続き、今回は『神経の状態から心の位置を知る。』ということを書いています。体の中でも自動的に動いたり反応を起こしている「神経」の観点から心と体の動きをみています。
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– 自分の心と体と上手に付き合う –
~休みたいのに休めないとき どうすればいい?~
<1>心の観点から<2>体・エネルギーの観点から
<2-1>体(神経)の観点から ←今日はココ
<3>ライフサイクルの観点から
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休みたいけどなんだか動いてしまうという方。自分はどれぐらい疲れているのかわからない。疲れを感じないので、休むタイミングがわからない。という自覚があまりない方。またはこれぐらいでへばった、疲れたなんて言っていられない!とムチ打つ方。
共通しているのは「自分に適切な休憩を取りにくくなっている状態。」です。言い換えると、心や体が休みを必要としているのに、自分で自分の状態がわからなくなっているので休みを取れなくなっている、ということ。毎日一番近くにいる自分だからこそ、つい見えなくなることもありますよね。
「疲れたなら休めばいい。」とアタマでわかっているのに、なぜか休めないとき。そこには心の無意識部分でのブレーキだけではなく、体や心の気づかない”疲れサイクル”に入っていることもあるかもしれません。
この連続記事では何回かにわけ、大きく3つの観点から「あなたの心と体」を理解し、楽に過ごすにはどうすればよいのか?を書いています。
「あなた」をいろいろな角度から理解することで、自分自身とより仲良く快適に過ごせるようになれますよう♪
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体(神経)の観点から
ふだん生きている上で欠かせない「からだ」。体がなければ行動も起こせませんし、生きている実感もありませんよね(^^)あまりに当たり前のように動き、生活をしていますが、この体のしくみというのは本当~によくできています。ここでは、体の働きの中でも「神経」に注目し、心と体にどうつながりがあるのかをみてみます。
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神経、といえば「興奮したときには交換神経、リラックスしたときには副交感神経」ということを聞いたことがある方も多いでしょう。いわゆる「自律神経」と呼ばれているものです。
(もう少しきちんと書くと、神経は脳・脊髄からなる中枢神経と末梢神経とにわかれますが、ここでは末梢神経である自律神経を軸として書いています。)
この自律神経の動きとして
・心臓の動き
・循環、消化、分泌、生殖などの動きの調整(生命維持に関係する機能)
・体温調整
・呼吸
などがあります。
このように「しよう」と意識しなくても意思に関係なく、身体に備わったすばらしいシステムによって、自然と命の活動は行われています。心拍や発汗、体温の上げ下げなどは自分で調整できるものではありませんが(修行された方は別かもしれませんが。)、一つだけ自分でコントロールできるものがあります。
それは…そう、「呼吸」です。
呼吸は意識的にゆっくり行うことで副交換神経が優位、つまり、リラックスモードにすることができるのです(ちなみに吸う息のときは交換神経が優位に。吐く息のときは副交感神経が優位になります。さらに全体的にゆっくりな動きをすることで副交感神経が高まっていきます。)
『緊張したら深呼吸』というのは、ご存知の方も多いかもしれませんがこのような理由で副交感神経の動きを高めることで、体からリラックスモードを作っていたのですね。
このように、体の状態と心の状態はダイレクトに響きやすくなっています。(突然のびっくりする出来事で心臓がドキドキ、極度の緊張で血の気がひく、汗をかく、など。)呼吸を上手に取り入れることで体を良い感じのリラックスモードにしていくこともできますし、適度な活性状態にすることもできます。
確かにこうして「リラックスしたいときには深いゆっくりとした呼吸を。」「適度にテンションを上げたいときには速く浅い呼吸を。」と調整方法を知っておくのは役に立つかもしれません。
必要なときに使える術があるのはいいですよね(^^)
けれど、(少し話はずれますが)リラックス法を試しても同じ状況を繰り返したり似たような思いを抱くようなとき。そのようなとことが続くのであれば。そして、根底からの自分の苦しみやパターンを理解したいときには。「このように反応するのは、何がイヤだからなのだろう?途中にある自分の気持ちはどのような言葉だろう?」ということを知ること。これが心の対話の部分です。
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話を戻しますね。ここまでは自律神経の働きについてみてみました。もう少しだけ体のお話にお付き合いください。ここからだんだんと心のことに関わってきます!
では自律神経とはGO!のオンモードとリラックス~ゆっくり~のオフモードとどのような動きをしているのでしょうか?
これも当たり前過ぎることとかもしれませんが、自律神経はONとOFFを行き来しています。
つまり、いつも交換神経になりっぱなしでもなく、ずーっとリラックスの副交感神経モードだけでもなく一日の中でも朝から日中、夕方から夜にかけて、と大きな交・副、の動きをしていますし、一時間の中でも自律神経は様々な動きをしています。リズムがあるのです。
でも、私たちはこの当たり前の『体のリズム・神経の波』を忘れがちではないでしょうか?
体の自然な流れを忘れたまま、休むモードなのに頑張りすぎていたり、ということはありませんか?
ONからOFF、OFFからONへと切り替わっていますか?
ということで、今回の記事でお伝えしたかったことはここ↓です(^^)
『体のリズムが休むモードのときに休んでいますか?』
そして、
『ONとOFFの行き来はしているかな?』
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個人の体の中でもオンとオフの神経の波があります。もちろんがんばり方や休み方の心地よさは人それぞれなので、一つの正解があるわけではありませんが、少なくとも、自分で自分の快適指数をみておくのはいかがでしょうか。
今、がんばりモードのときにその力を使っているのか?休みモードのときにがんばりモードを使っているのか?
お仕事や子育て、付き合いの中では身体のモードだけを優先にできないこともあるでしょう。それでも、無自覚で、神経系(身体のリズム)と逆の動きをしているのか、わかっていても、今はこれ!と自覚しているのかで負担やストレスも変わってくるはずです。それは言葉もなく健気にがんばってくれている生命システムとの分かち合いなのではないかな、とも思うのです(*^^*)
生活スタイルと身体のリズムが違うな、ズレているかもな、というときには、「どのように過ごすのが、一番気持ち良いか、楽か。」ぜひ探してみて下さい。身体と心が感じるラクな感じは、エネルギーが自然に流れます。逆にその状態だと一番望む状態にもなりやすかったりします。
幸せになるため、リラックスするために何かをするのではなく、不自然を自然に戻したときに手に入るリラックス。そこからの満たされた感じ。ぜひ体験してみてくださいね!
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最後にもう一つ「オフモード(休む・スローダウン・やめる、など)が入りにくい理由」について。
個人の「休みにくい理由」とは別に、時代や文化の状況も「オフモードが入りにくい理由」があるといえるでしょう。
今の日本、特に都市部に住んでいるととても便利な一方、あふれる五感からの情報、その量や流れの速さはここ十年、二十年では年世紀分もの発達をみているかのような進歩具合です。文明の発達、というと大げさかもしれませんが、それはとてもすばらしいものですが一方で人らしい生き物としての時間やリズムはどうでしょうか。
物や文化は発達していても、身体そのものはそんなに大きな変化はありません。
脳も体も順応性はありますが、どこか追いつけない部分もあっておかしくはないぐらいの変化があるでしょう。この刺激量の中では個人だけではなく、社会、会社、チーム、学校など全体的にもハイスピード、ハイテンションの流れになるかもしれません。
このようなとき、周りは変えられなくても、自分で『身体には(私には)オンとオフのリズムがある。』ということを意識するのとしないのとでは、どうでしょうか。ただなんとなく日々が過ぎて、気がついたら息をつめていた、肩に力が入りっぱなしだった。。。と、疲れ切って気がつく前に。
『身体には(私には)オンとオフのリズムがある。』
と気づくこと。そして
『自分は今どこにいるかな?』
を知っておくこと。一度気づいたら、することやしたいことを選ぶこともできます。これだけでもずいぶん今の神経モードの位置やこれからのことへの視点が変わってくるはずです。
当たり前すぎで見逃しがちなことかもしれませんが、ぜひ身体に備わっている生命のリズムを感じながら、自分のモード、心地よさを知り、
心地よい動き方をされてみてくださいね♪
今回は神経マップから心の位置を知る。ということで、従来の『交感神経・副交感神経』の二点からみてみました。
☆また別として、神経への新しい視点『ポリヴェーガル理論』についてはこちらの記事をご覧ください。>>
うつやトラウマの状態を理解するのにもとても参考になります。
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次回は
<3>ライフサイクルの観点
です。
むりなくほどよく、心地よく。自分自身でいることを楽しめますよう。ナチュラルさからはいろいろなものが発揮されてくる♪