ご質問をいただきました。「自分の能力や存在価値に問題を感じています。」
- 2017年07月04日 |
- オープン・アウェアネス・ダイアローグ, インテグレイテッド心理学, こころのこと, 対話カウンセリング, セラピー |

クライアントのAさんからご質問をいただきました。
『自分の能力や存在価値に問題を感じているのですが、原因と思われるビリーフやセルフイメージを癒すというアプローチ以外に、思考レベルで実生活で何かを実際やり遂げる計画を立て、行動し、成功体験を積む事を宿題として出すセラピストのセッションを数回ですが受けたのですが、これもありでしょうか?
私的には、やって見たのですが違和感があり(やってその問題はなくなったが、他の問題が出てきたのと、焦燥感が出てきたので)、今はやっていません。。。』
お答えするポイントがたくさんあり、これをお題に「OADから紐解く悩み解体室」をしたいぐらいです♪
Aさんは
・自分の能力や存在価値に問題を感じている。
・なので、原因を癒やすアプローチ以外に成功体験を積むというセッションを受けた。
・そのセッションもありなのだろうか?
・自分的には違和感があったので今は受けていない。
とのこと。さて、ここでAさんが一番お困りのことはどのようなことでしょうか??
・成功体験を積むセッションを受けたほうがいい?
・そのセッションは間違っている?あっているものか?
…ではないですよね。
ここで一番みたいポイントは最初に書いてくださった『自分の能力や存在価値に問題を感じている』というご自分への思いです。
自分で「能力がないし、存在価値も問題」と思っているから、
そんな自分を変えるセッションを受けようとするし、
そんな自分が嫌われないよう、役に立てる行動をする。
…という「そんな自分をどうにかしようとする&そんな自分ではなくなる」行動になります。この思いから取る行動そのものも、二次的なストレスとなるでしょう。(最初のストレスは「自分のことを能力がない」と思うようになった出来事。そして、そんな自分や相手を責める気持ち。)
このようにして、自分はダメな人間だからそうじゃないようにしたり、自分を変えようとすること。これはAさんだけではなく、多くの方がされることではないでしょうか。
けれど、行動のベースになっている『自分はダメだ。能力ない。存在価値が問題だ。』という思い。そもそも、これは本当でしょうか。Aさんを能力がない、と判断しているのは誰でしょう。また、誰のどのような言葉から「自分は能力がない。」と思うようになったのでしょうか。
ここを見ないまま、自分に対する自分の思い(解釈)を事実ベースにして行動をするとき、ご本人の中では「ダメな自分」がますます強化されています。
すると、ますますダメじゃないようにしようとし、そこへエネルギーも使います。さらに自分バッシングも強くなるし、周りに不満も出て来る。けれどその不満も抑える。一方で自分のなりたい姿からは遠いまま。
そういう状態の疲労感って、けっこうなものではないでしょうか。(私は経験ありです。笑)
でも思い出したいのは、そもそもの自分に対する思いはイメージであり、解釈ということ。どんなに事実と思えることや周りからそう言われた、という証拠があっても、やはり解釈は解釈です。
OADはここががんばりどころ!
解釈を事実ベースにしたお話の誤解を紐解き、真実ベースでみていく。そして、なぜそのような解釈が生まれたのか、こじれた部分をみていきます。
Aさんの場合ですと「自分の能力、存在価値への疑問」。
ここで具体的に、
・自分の能力をどう思っているのか?
・能力って何に対する?どのような人が能力ある人?
・いつ気になる?誰だと特に?
などなどを事情聴取(笑)していきます。知りたいのは
「どんな自分が、どのような世界観の中で思いを強めているの?どんな風に世界や他者を見ているの?」
という部分です。ここが一人一人のユニークな世界。捉え方、消化の仕方、行動の仕方、ぜんぶ個性がありますよね。また、どの意識レベル(日頃わかっている、いつもは全然忘れている、など)で捉えている思いなのか、ということでも掘り下げ方が変わってきます。
OADではアドバイスや分析ではなく、ご本人の真意を確かめながらその方の中に答えを見つける。というプロセスを踏みます。すると、理解と受容の中でいつの間にか悩みが解消されている。。。ざっくりですが、流れはそのような感じです。
誰かのケースは参考になるかもしれませんが、自分のことは自分の中に答えを見つけるのが一番しっくりくるのではないでしょうか。自分を誰かに当てはめるのではなく、自分独自の心模様を理解したい。そのような方におすすめのOADです。
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